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十三夜って知ってる?もう一つのお月見を楽しもう!
2025.10.02 季節のイベント

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十五夜は知っているけれど「十三夜」は知らない、という人も多いのではないでしょうか?もう一つのお月見「十三夜」を知って、秋の行事をもっと楽しんでみませんか?
十三夜とは?いつ?2025年の日程

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「十三夜(じゅうさんや)」は旧暦9月13日の夜に行うお月見の行事です。一般的に知られているのは「十五夜=中秋の名月」ですが、そのおよそ1か月後に迎える十三夜も、日本では古くから大切にされてきました。
十五夜の後に見る月のため、「後(のち)の月」とも呼ばれています。
十五夜が芋の収穫を祝う「芋名月」であるのに対し、栗や豆の収穫祝いでもある十三夜は、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、それぞれの時期の収穫物と深く結びついているのも特徴です。月を愛でるだけでなく、自然への感謝や収穫の喜びを表す行事としても親しまれてきたのですね。
十三夜は旧暦に基づいており、新暦では毎年異なる日付になります。2025年の十三夜は2025年11月2日の日曜日です。このころはちょうど秋も深まり、空気が澄んで月が一層美しく見える季節です。
十五夜と十三夜、2つのお月見行事がある理由

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十五夜と十三夜、2つを合わせて「二夜の月」と呼ばれます。それぞれ異なる収穫をお祝いする行事であることから、両方のお月見を行うことが縁起が良いとされてきました。
十五夜が満月であるのに対し、十三夜の月はほんの少し欠けています。古来、日本では「完全よりも不完全を美しいと感じる」美意識があり、十三夜の月はその象徴とされてきました。
十三夜は十五夜ほど知名度は高くありませんが、わずかに欠けた月には「これから満ちていく希望」や「移ろいゆく自然の美しさ」が重ねられ、心を映す存在として大切にされました。
なお、片方しかお祝いしないと「片見月」と呼ばれて不吉とされる習慣もありました。日本人が古来から月に対して特別な思いを抱いてきたことが感じられますね。
秋の味覚の収穫を感謝する、十三夜の楽しみ方

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十三夜に欠かせないのが、収穫物をお供えする風習です。栗や豆を器に並べ、月に収穫の感謝をささげます。
定番の月見団子は、白く丸い形が月を表すとされています。十五夜では15個、十三夜では13個のお団子を積み重ねるのが伝統的です。
和菓子屋では季節限定の栗ようかんなどが並ぶ時期でもあり、見た目も味わいも秋らしい商品がそろいます。
コンビニやスーパーで手軽に和菓子を選び、ティーバッグの緑茶や抹茶を合わせるだけでも十分に雰囲気を楽しめます。お気に入りの器やランチョンマットを使って、月が出ている方の窓辺に供えれば「月見の席」が完成。SNSに投稿するのも楽しい思い出になりますね。
秋の夜長をゆったり過ごす機会に

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十三夜は、秋の夜をゆったりと過ごす絶好の機会です。窓辺やベランダに椅子を置き、月を眺めながらお茶を飲むだけでも非日常の時間になります。静かな読書や音楽鑑賞と組み合わせれば、心を落ち着ける時間になるでしょう。
友人や恋人とオンライン通話をつなぎ、同じ月を見ながら語り合う「オンライン月見」をするのも、今の時代ならではの楽しみ方ですね。
また、スマホやPCを少しの間手放して「デジタルデトックス」するのもおすすめです。自然の光を浴びながら、自分の思考や感情に耳を傾けるひとときを過ごしてみるのはいかがでしょうか。
十三夜は、十五夜に続く日本独自のお月見であり、欠けた月ならではの美しさを楽しむ魅力的な伝統行事です。栗や豆、月見団子をお供えし、お茶とともに月を眺めれば、豊かな時間を味わえます。完璧ではない月にこそ宿る美を感じながら、秋の夜長を静かに過ごしてみませんか。